SpaceCraft
着陸予定地点の野営場所。パノラマにしてみた。夜明けまでは近くにいた水陸両用車はすでに、何箇所かに散らばっている(右端に2台が見えている)。
ここで夜を明かしながら、いろんなことを考えた。
今年退役するスペースシャトルには、多くの問題があった。
- 現実的な緊急脱出装置を持っていない(チャレンジャー事故)
- 構造上弱くて、大きく重い翼を持っている(コロンビア事故)
- タンクに抱きつく形のため、剥がれた耐熱材が機体にぶつかりやすい
- 人と荷物を同時に運ぶため、人基準の安全性で荷物を運ぶ羽目になった
- 結果、非常に複雑で高価(1回1000億円)なシステムになった
一方、メリットも大きい
- 高度な姿勢制御でGを減らせるため、乗組員の負担が少ない(70代でも乗れる)
- 滑走路に着陸するため、整備へ移る時間が短い
アポロ計画のころは大西洋に着水させていたので、そのたびに大西洋艦隊を運用して空母を展開しなければならなかった。そういう意味では、自前の滑走路に着陸するのは多少高くてもメリットがある。自分以外の組織の手を借りるのは何かと面倒くさいものだ。
ここから考えると、次世代の往還機の理想というのが見えてくる。
- 人だけを乗せた小型の機体を、ロケットの最上端に設置
- リフティングボディを採用して、機体そのもので浮力を得る。翼は最小限に
- 先端には緊急脱出用の小型ロケットをつける(ソユーズやオリオンと一緒)
- 滑走路に下りてくる
ここまでは必然。で、X-37Bみたいな発想が出てくる。コンセプトはHOPEに非常に似ている。バブルがもう10年続いていたら、日本製のISS往還機はすでに飛んでいたかもしれない。
ソユーズやファルコンみたいな枯れた技術を使った往還システムは安くて信頼性が高い。しかし、以前の技術を使っているだけでは、人材と開発技術が維持できない。伊勢神宮は20年に一度遷宮せねばならんのだ。
だが、JAXAの予算規模は所詮、NASAの1/10。あっちもこっちもというわけには行かない。日本が人間の往還機をひとまずあきらめ、輸送に特化したHTVに注力したのは、ある意味賢明だったといえるだろう。
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コメント
this post is very usefull thx!
投稿: CNA Salary | 2010/06/07 17:18
Hello
Thank you! I'm very grad to hear it.
投稿: 東山まさのぶ | 2010/06/07 23:28
以前読んだ漫画(あさりよしとおのHALだったかな?)に
新型宇宙往還機についての回もあったかと思い出しつつ
スペースシャトルのメリットでは
・現状の他の輸送手段にくらべてはるかに大きな物資をISSに運べる
・故障したり回収したい人工衛星を持ち帰ることができる
などは
いずれシャトルが無人化できれば消えてしまいそうだけれど
今の時点ではシャトルの優位性だと思うのはだめ?
投稿: R | 2010/06/07 23:43
Rさん
輸送能力だけに限れば、低軌道に20tのものを送り込むのはH2Bでも可能です。
一方、確かに、故障した衛星を回収したり、ハッブルの部品を持って行って、その場で修理するなんて技はシャトルじゃなければできませんね。
ただ、ハッブルの修理は数回ありましたが、どれも1000億円くらいかかっています。そのお金があったら、ハッブルをもう一つ作れたというのはよく言われる結論です。そうすれば、性能は落ちたけどまだ運用はできるハッブルと、現行性能バリバリのハッブル2を二つ持つことができたでしょう。
まぁ、でも、やっぱり修理せざるを得ないんですよね。もうそれはほとんど政治の世界ですが、「失敗したからもう1個」とは口が裂けても言えない。だから、倍以上のお金がかかっても修理しちゃう。そして、「We did it!」っていう伝説のせりふにファンは酔う。
正直、はやぶさも同じトラウマを抱えていたと思うんです。運用延長になった3年のコストと人材を、そのままはやぶさ2に投入していたら、はやぶさ2は来年にも飛んだかも知れません。
分かっちゃいるけど、できない。永遠のテーマかも知れません。
投稿: 東山まさのぶ | 2010/06/08 00:14
1000億なんですか、さすがに高い
でもなんだかどこかで無駄遣いされた税金とかを何年か集めたら
一回くらい日本だけのミッションが運用出来そう(^_^;)
ハッブルも撮像素子や計測機の性能が10年たてば別物でしょうから、そこだけ変えられる簡単な方法があれば…
無人のドッキングは難しいんでしょうか。
政治的には…ハヤブサは話題になっているので、それだけでも成功かも知れませんね。
職場でも話題になるくらいです
到着が楽しみです。
投稿: エイイチロウ | 2010/06/10 09:42
エイイチロウさん、こんばんは
日本向けのシャトルミッションは実際にありました。星出彰彦さんが乗った2008年の時がそうです。この時、日本実験棟「きぼう」を組み立てました。
NASAはシャトルミッションに番号を振っていて、この時は「1J」でした。「1回目の日本ミッション」という意味です。
昨年、「きぼう」の最後のパーツを取り付けて完成させた際、若田さんを乗せて帰ったシャトルは「2J/A」でした。これは、「2回目の日本ミッションと、米国ミッション」という意味です。
日本は、ISS計画に約7000億円投じています。これは「きぼう」や補給船「HTV」の開発費などです。NASAにお金を払っているわけではありませんが、「じゃ、オレがISSの一部を作るから、あんた打ち上げてね」というバーターになっています。
投稿: 東山まさのぶ | 2010/06/10 18:09
こんにちは
すでにそういうミッションがあったんですね
7000億。高いか安いか。
生活の役にたつのは、気象衛星や通信衛星ですが
ハヤブサやISSはなかなか理解されにくいかも…
人それぞれですが、自分は科学技術にはお金はかかるので
ある程度ひつようかなと思ったりします。
投稿: エイイチロウ | 2010/06/11 07:07