アナレンマと天の赤道
アナレンマ(analemma)ってご存知ですか?
太陽が描く、不思議な8の字のことです。地球の地軸が公転面に対して23.4度傾いており、しかも楕円軌道で太陽の周りを回っているため、毎日同じ時間によ~く観察すると、こんな風な8の字を描くのです。
これを撮影するためには、毎日同じ時間に、同じ方向に向けてシャッターを切り続ける必要があります。昔から、この撮影に成功した人は何人かいましたが、フィルムの時代はそれはそれは根性の要る被写体でした。なにしろ、2週間に一度くらいのペースで撮り続けなければなりませんし、晴れなくてもいけません。カメラの方向をきっちり合わせなければならないのはもちろん、フィルムを劣化させないために、カメラごと冷蔵庫に保管したりしていました。
でも、デジタルですととても楽に撮影できます。もちろん、1年以上撮影しなければならないのは同じですが、比較(明)合成すれば、「とりあえず撮っておいて、晴れた日のコマだけを後から選んで合成する」ということが可能です。撮影枚数も36枚に制限されませんから、大容量CFとAC電源、リモートコントローラーを用意すれば、1年間でも勝手に撮り続けてくれるはずです。
私は今回、自宅マンションの軒先にカメラ(EOS10D)を設置し、リモートコントローラーで毎日午後3時半にRAWで撮影するようにしました。ただ、バッテリー駆動なので、1ヶ月に一度くらいのペースでデータ回収と充電・レンズの清掃・リモコンの時計合わせなどはしましたけど。そして、「だいたい」2週間に一度のペースになる晴れた日のコマを選んで重ね合わせ、昨晩撮影した星の写真と合成したのが上の画像です。天の赤道とアナレンマの位置関係ってこんなカンジなんだ~って、ちょっと思った。
このときのシステムが、ようやく実を結んだわけです。データの欠損(雨による)を埋めるために、もうちょっとがんばってもらおうと思うけど、とりあえずお疲れ様でした。ありがとう。
Analemma ; Canon EOS10D, TokinaAT-X 17mmF3.5 -> F22, ISO100 , 1/4000sec, RAW, CanonTC-80N3
StarTrail ; Canon EOS 5D, EF16-35mm F2.8II -> 20mmF5.6 , ISO100 , 30sec x 138frames, jpg-L
ちなみに、こんなんも撮りました。
| 固定リンク
コメント
おひさしぶりです。
話とかでは聞いていても実際みるとおもしろいですねー。
広角すぎて星の軌跡が磁力線のようにもみえませう(笑)
投稿: なつ | 2008/11/19 23:42
これはすごいですね!
知識として知ってはいましたし、写真も一回か二回は見たことがあると記憶していましたが…
星が写っていたのはたぶん初めてでは?!ぜひ雑誌に!!
これは比較明でなくては成し得なかった、新しい世界と思います。
東京タワーと同じショックをまた受けています。
自分はなかなかアイディアが出ない物です。
投稿: エイイチロウ | 2008/11/20 00:52
あの目張りされた10D君ががんばりはじめてもう1年が経ったのですね
はやいなぁ・・・(^_^;)
太陽の定点観測と聞いてどんな形でアナレンマの写真が出てくるのか
楽しみにしてました。
ところで「秋の日はつるべ落とし」とアナレンマは関係あるのでしょうか?
投稿: R | 2008/11/20 08:51
なっちゃん、こんにちは
もう1時間くらい露出すると、もっと黄道が分かってよかったかもしれないけどね。お気楽に内臓バッテリーだけで撮影したから、途中で止まってしまった・・・。でも、これ以上だとオリオンが太陽にかぶってしまうから、これくらいでよかったという意見もありそうです。
エイイチロウさん、いらっしゃい
背景が星なのは、まぁ、ごまかしなんですよ。最近のアナレンマの写真で有名なのはギリシアの方のでしょうが、彼は神殿を前景にしてて相当パンチのある写真になってます。なので、普通の前景だと、普通のアナレンマになっちゃうんですよね。残念ながら、うちのマンションはそこまで見晴らしがきれいというわけではないので、せめて夜景にして見ました。このほうが、私っぽくもありますしね (^_^;;;
Rさん、こんにちわ
1年早いですよ~。去年の今頃はまだ嫁のおなかもそんなに目立ってませんでしたけど、今うちにはハイハイする9kgの物体がいますからね。時が経つのは恐ろしい~
>ところで「秋の日はつるべ落とし」とアナレンマは関係あるのでしょうか?
またそんな無茶ぶりを。でも、午前4時って、もうオリオンが沈むんですね。いつのまにやら空は春になってるんだなぁ。。。
投稿: 東山まさのぶ | 2008/11/20 10:33
うぉっっっっぉ!!! すごい!スゴすぎる!!!
こんな写真が撮れるんですね!
自分は簡単な比較明写真だけしか脳がない(>_<)
知識と技術、天文は奥が深すぎます。
投稿: 凧tako | 2008/11/21 22:57
こんにちは。
お久しぶりです。
アナレンマなんて知りませんでした。
アナコンダなら知っていますけどね。(^^;
それにしても、すんごい写真ですね。
何より明確な意図を持って用意周到な準備をされているのが素晴らしいです。
いつも新鮮な驚きと感動を有り難うございます。^^
投稿: muto | 2008/11/23 07:35
凧さん、こんばんは
どうもありがとうございます。
でも、以前もブログで紹介したNASAのAPODなどを見ていると、すんごい写真のオンパレードですよ。私なんざ足元にも及びません。世界は広いです。
mutoさん、いらっしゃいませ
というか、何を写すかを考えて、その準備をしてるときが一番楽しくないですか? 皆既日食も、出発するときまでが最も充実してて、現地に着いてしまえばあとはルーチンをこなすだけですから。
次のネタはどうしようかなぁ・・・と考え中なのですが、リモートデスクトップとか別サーバーの立ち上げとかが必要そうなので時間がかかりそうです。
投稿: 東山まさのぶ | 2008/11/23 20:49
はじめまして。
突然の書き込み、申し訳ございません。
今年初め頃、私もアナレンマを撮ろうと、ほとんど情報を集めぬままスタートしましたが結局失敗して止めていますが、再開を検討しています。
失敗の理由は2~3個ほど・・・。
1つ目はカメラの設置場所で、屋内設置で窓ガラスを通しての撮影で、ガラスが曇ってしまっている日もありました。
2つ目はカメラの設営の方法で、EOS50Dに18-55mmレンズ(焦点距離28.8mmになります)を吸盤式2脚で窓ガラスに張り付けていて、熱と重さで
撮れてしまいました。
※28.8mmだと辛うじて年間撮れるとシュミレーションでは出ていますが、狭すぎますか?
3つ目は最大の悩みでもありますが、貴殿と同じタイマーを利用して24時間に1回撮影するように設定して運用していましたが、少しずつ時間が
ズレて行ってしまうんです。
電波時計などを利用している訳ではないので、少しずつズレてしまうのは仕方ないと思いますが、誤差の範囲を前後1~2分/年間とすると難しい
ようです。3ヶ月程で挫折しましたが、タイマーのズレが既に2~3分はあったかと思います。
貴殿はこの辺り、どのように運用して撮影を続けられたのでしょうか?
ぜひ、ヒントを頂ければと思い、急に失礼かと思いましたが、書き込みさせて頂きました。
投稿: オリオン | 2017/11/26 02:06
オリオンさま
まず、APS-Cの18mmでもアナレンマは画角に収まるようです。これはご安心ください
https://drive.google.com/open?id=1tx-GDWl7oU_xTWiv-ZKmh4XaKmsAQq_V
タイマーの時刻のずれですが、これはある程度どうしようもないものと思います。
私はあまり気になったことがないのですが、TC-80N3ってそんなにずれますか?
結局、定期的に時刻を合わせ直すしかないと思います。
ガラスの曇りは、なかなか難しいところですね。
最終的には、軒下などに設置するのが一番いいのかもしれません。
時には雨も降りかかるし、汚れますが、ちょっといい案が思いつかないです。すいません
投稿: 東山 | 2017/11/26 13:59
突然の質問でしたが、ご回答頂き、ありがとうございました。アナレンマの件、年内にはまた再開をしたいと考えております。アドバイスありがとうございました。
投稿: オリオン | 2017/12/07 15:02