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2008/06/07

キヤノンから新印画紙

キヤノン・プロフォトペーパーA3ノビのストックが切れたので、アマゾンで注文しようとしたら在庫がない。キヤノンHPの消耗品コーナーからも消えている。はてな? と思っていた矢先に新しい写真用紙が発表された。「光沢 プロフェッショナル(PR-201)」という名前で、7月中旬に発売されるらしい。期待しておりマス。

Pr201

さて、星ナビの7月号にこれが入選しました。プラチナリングのようだと褒めていただいてありがたいかぎり。これを撮った公園は、水銀灯が明るくて深夜でも文庫本が読めるくらいなのですが、レンズの優秀さに助けられました。最近のシグマは本当にすごいです。特にこの8mm魚眼、15mm対角線魚眼、70mmマクロあたりのシャープさはすばらしいですね。

ところで、星ナビの評の最後の「しかしながら、星空シーンと都市空間の遊離を埋める作画の必然性がないようにも感じます」という一文が、何度読んでも意味が分かりません。どなたか日本語に翻訳してもらえませんか。

「星と都市というかけ離れたものを同時に写す意味が分からない」ということ?

それとも、「星と都市を写すなら、あまりにかけ離れた両者をつなげる作画が必然なのに、それがない」ということ??

 

いやホント、デジカメで星景写真を撮り始めてから、いろんなことを言われます。天文ガイドには3入選目くらいまで「デジカメは熱カブリがあるから星景写真には向かない」と評され続けました。最近でこそ、冷却デジカメが登場して1時間ほどの露光も可能になってるようですが、高価な冷却デジカメじゃなくても、コンパクトカメラでも撮影できて、しかも、12時間超の露出も可能なんですよと証明したつもりなんですが、その後も「CGみたいなもんでしょ」と言われたり、「必然性がない」と言われたり。

星ナビといえば、読者の写真コーナーの入選作が今月、ついにすべてデジタルデバイスになったそうです。編集部は「時代の流れの必然とはいえ、古くからの天体写真ファンとしては一抹の寂しさを感じます」と総評しています。

そっかなぁ? フィルムで撮ろうがデジタルで撮ろうが、天体写真は天体写真だと思うが・・・。そりゃ「天体写真ファン」じゃなくて、「フィルムファン」の意見ではないのか?

まぁ実際、カメラ雑誌でも、デジタルの扱いは大変みたい。アサヒカメラなんか、ちょっとデジタルの特集でもやろうもんならえらい数のクレームが来るんだそうです。カメラ映像機器工業会は今年2月、フィルムカメラを出荷統計をやめてしまいました。生産台数が1月に1580台となり、それ以降の月は統計的に意味のある数を満たさなくなったからです。ちなみに同月のデジカメ生産台数は541万台で、昨年同月比27%増でした。フィルムカメラのユーザーは減る一方なのに、デジタルの記事を載せられもしない。出版不況で新しい雑誌を立ち上げることもできない。これはもう、緩慢な死です。ジョージ・ブッシュもびっくりでしょう。

もちろん私は、ネガフィルムによる人物の肌の表現力や、漆黒から黒にかけてのフィルムの階調のすごさを知っていますし、そこにこだわっているプロも知っています。こればっかりはデジタルでは太刀打ちできない領域だと確かに思う。1DsMk3ならこの階調が得られるかな、と期待したけど、2週間ほど使ってみた印象ではまだまだ無理みたい。解像度は充分ですけどね。

でも、いずれにしろ、カメラもフィルムもパソコンもソフトも所詮「ツール」でしょう。「手段」であって、「目的」じゃない。

都会でも星が撮れるってことは、全国どこに住んでいても、夜出かけるのが難しい子どもたちでも、自宅のベランダから、星の写真が撮れるということかもしれません。

技術的にどこまで写せるのか、の追求だけなら、来年の今ごろは昼間に星景写真を撮ってみせます。太陽と月と金星の日周運動とか、おもしろそうだし。

この夏には東京都心にどかんと横たわる天の川を狙うつもりですが、もしそれが成功したら、また賛否両論あるんでしょう。しかし、どんな都会でも星たちは光り輝いていて、それが写真に写るということは存在しているはずなのに、そこに住む1000万人の人たちはそれに気づかずに、もしくは見られずに生活しているんだ、という事実を、少なくとも投げかけられるのではないか、と思ってます。

銀座や渋谷で空を撮ってると、不思議そうに声をかけられます。「何が見えるんですか?」って。「星ですよ。こんな都心でも星は写るんです」って携帯電話に入れてある写真を何枚か見せると、みんなすごくうれしそうな顔をして、「へぇ~っ!そうなんですか」って目を丸くする。

その驚きを与えられるだけで、いいんじゃないかと。少なくとも私には、充分なんですが。

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コメント

A☆kiraさん、はじめまして!

書き込みありがとうございました。「工業地帯」いいですねぇ。ぜひ見てみたいです。成功したら教えてくださいね。楽しみにしています。

投稿: 東山まさのぶ | 2008/06/18 01:56

こんにちは。はじめまして。
このところデジカメでの星景写真が撮りたくていろいろググっていてたどり着きました。カメラ、写真ともに初心者です。

自分も星ナビの7月号のコメントは「???」と感じました。いったい何を選者は言わんとしているのか?

晴れた日にはこちらで紹介されている方法で、私も挑戦してみようと思います。

北九州という工業地帯でいったいどんな星の写真が取れるのかをとりあえずテーマにして見ますです。

今後もちょくちょくお寄りいたしますので、色々ご教授方よろしくお願いいたします。m(_ _)m

投稿: A☆kira | 2008/06/17 12:34

 わたなべ様

初めまして。書き込みありがとうございました。大阪も中ノ島とか、ステキな夜景がいっぱいありますよね。日銀の建物とかいい感じです。ぜひ試していただければ幸いです。

投稿: 東山まさのぶ | 2008/06/14 23:52

私も星ナビのコメントは???と思いました。舌足らずというか、何がいいたいのかわからない。

私も大阪の都心にいますので、やはり星が見えにくいです。でも、まったく見えないわけではない。そこにある星に気がついてもらおうとしたとき、この撮り方はすばらしいなと思いました。

いろいろばたばたして、というか、ここ10年ほど天体写真から遠ざかっているため、私のEOSキスデジタルはまだ出動していないのですが、ぜひ続きたいと思っています。

投稿: 大阪のわたなべ | 2008/06/13 20:55

>エイイチロウさん、こんばんは!

なんと、同じようなことを考えられていたんですね。ここまで都会で星が「写ってしまう」と、実際に撮影を経験した人は、そうした感想を持ってしまうと思います。星ってほんとうに明るいですね。驚きます。


実は、私の書き込みを見て、星ナビ編集部に問い合わせてくださった方がいらっしゃいました。いや、めったなことは書けないなぁ、と思いました。ブログっちゅうのは広がりのある媒体ですね。
結論としては、あの評の趣旨はつるカレさんやRさんの予想の通りのようです。確かに、実際自分でも一度、東京タワーと円形写野で撮影しておきながら、そのままの構図で桜までを入れたのは、詰め込みすぎたかもしれません。特に、桜があまり目立たないのに、タイトルが「ソメイヨシノと・・・」だったのが違和感を増したのでしょう。単に「春の大三角」としておけばよかったかもしれません。そしたら、ソメイヨシノがアクセントとして効いたのかな、と。


>Rさん

こちらでは初めまして~。こんばんは!
書き込みありがとうございました。参考にさせていただいて、感じた内容は上記の通りです。写真は引き算だと知っていたはずなのに、欲張ってしまいました。

しらびそいいですねぇ。私も行きたいです。またご一緒できる機会がありましたら、その際にはプリント持って行きま~す。

投稿: 東山まさのぶ | 2008/06/11 04:30

 こんにちは、ここでははじめてですね
 先月しらびそに行き、こそこそ固定撮影してきました。
2晩出かけたのですが、ひょっとしたら2晩ともに銀塩カメラを使っていたのは
僕だけだったかもしれません。ひょっとしたらクイックリターンミラー付のカメラ
を使っているのも僕だけだったかも。固定撮影は僕しかいませんでしたが。
 プリントまでの自由度ではデジタルデバイスに自由度が高いということで現在の
情勢があるのでしょうね。
 このデジタルに対するアレルギー見たいのは大昔にカラーフィルム写真の応募が
始まったときとか、高感度フィルムの普及が始まったときとかにもあった通過儀礼
見たいなものなんでしょうか?それすら僕は経験していませんが。
 現在の20代前半より若い世代にはもうそんなことはノスタルジック以外の何物
でもないのでしょうが。
 僕の経験している場所以外にも急速にデジタル化が進んでいると思われますが、
星ナビの編集者は僕より年上の世代でしょうから感傷的になったのでしょうかね。

 あと、作画の必然性うんぬんについてですが他の方の意見もありますが、ひょっと
したら少し画面構成の中に要素を詰め込みすぎた?かな?都市の真ん中の魚眼での
写真でもよくって、桜は少しやりすぎ?とも受け取れるかなぁ?って感想で

 デジタルの皆さんのオリジナルプリントをいまだ見たことがないので、機会が
あればぜひ見たいものです。

投稿: R | 2008/06/11 00:32

まったく同じことを書かれていたので驚きました!

下はオリオンを写したときに、mixiに書いた日記です

>人の作り出した光のなかにも、確かに空からの星の光は
>地上まで届いていて、夜景の中でもたしかに星は見えている。

>それに気がつかなくなってしまっているだけ。

CGみたいだから、という批判が私にはまったく理解が出来ません。
逆にすごい技法だと感動したくらいです。いままでにない新しい天体写真のジャンルだと思いました。

それに普通の写真に比べたら、いまの星の写真はほとんどがCGみたいなものとおもいます。
フィルムでもデジタルでも。

フィルムでもCCDでもCMOSでも撮りたいものに対して、最適な物を選べばよいというのにも同感です。

かつては自分でフィルム現像したりしてましたが、使わなくなっても、私はそこになにも感じていないです。
今の小中学生は自分でフィルムを現像にだしたこと、ないかもしれませんし。いまはそういうものでしょう。
いずれデジカメだって別ななにかになるかもしれません。そうしたら、またそれを使えばよいと思ってます。

関係ないですが、携帯の受信ボタンのアイコンが受話器というのも、子供にはそれがいったい
何の形なのか、わからないのではないかと・・・まず黒電話時代のかたちで、なぜななめに持ち上げたらONなのか??
自分が中学くらいにはコードレスになってて、受話器も直立していたような気がします。

その黒電話のジーコジーコの使い方だって、いまの10代にはきっとわからないでしょうし、でも、それを
寂しいからって黒電話とネットのない世界に戻ろうとはおそらく思わない。そういうものかと。

積極的にあたらしいことに挑戦して、新たな表現方法を見つけることのほうがずっと意味があることだと思います。


個人的には先日、神戸・京都にいきましたが、晴れていたら星と撮りたいものがたくさんでした。
世界遺産の京都にある五重塔や神戸のタワー。人工物に負けない星の光を、もっとたくさん写してみたいです。

投稿: エイイチロウ | 2008/06/10 22:13

>nakaさん、とこちゃん、こんばんは!

いずれもカメラやバイクに造詣の深い器量人。私も車やバイクのキャブやABSなどへの評価に似ていると思ってました。過程を楽しむのなら、シンプルな構造のほうが楽しいのは事実かも知れません。でも、タイムを極めようとすると、機械に任せられるところは任せてしまったほうが楽でしょう。目的と結果をどう捉えるか、だと思うんですよね。
でも、インジェクターは快適だし、ABSがあったら助かったカモ?と思った経験もあります。正直、両方ともホスィ。低回転からトルクフルなエンジンも欲しいし、カーボンの屋根も欲しい。0.09秒のシフトチェンジもしてみたい。えぇ、今の私はM3欲しい人です。totoBIG当たんないかな?

>つるカレさん、はじめまして!
すごく丁寧な書き込みありがとうございました。
桜の大きさについては確かに、私ももうちょっと寄ればよかったかなぁ?と思ってました。つるカレさんのブログの今のトップ写真みたいに、ザ・桜と星っていう構図はストレートですね。星ナビもそういう趣旨なら、そう書いてもらえると分かりやすいんですが。

暗い場所での大量コンポジット撮影ですが、確かに星が写りすぎる写真になりがちですね。私も以前、それで失敗しました。感度は低めに、絞りもかなり絞ってください。というのも、長時間露光は昔からISO100、絞りはF5.6~F8とかだったと思います。このデータはデジタルになっても変わっていません。ISO800、F2.8とかにすると、フィルムなら数十分で真っ白になっていたでしょう。しかし、短時間の大量コンポジットですと、画面は白飛びせずにすんでしまう。この結果、星が写りすぎてしまうんです。
実際、液晶で確認して「よく星が見える」ようですと、コンポジット後にはすごいことになっているでしょう。この辺のさじ加減はトライ&エラーしてみるしかないと思いますが、特に気温の高い夏には、暗い場所の星景写真に有効な技だとみています。

最近は都会でばかり撮ってる人みたいになってますが(ま、事実ではありますけど)、好きでこんな明るい場所で撮ってるわけじゃないんですよねぇ・・・。富士山とかしらびそとか、久しぶりに行きたいなぁ。

投稿: 東山まさのぶ | 2008/06/08 03:59

はじめまして。少し前からこちらのブログを読ませていただいています。

「しかしながら、星空シーン ~ 感じます」という一文ですが、あくまで私の読解ですが、桜と星空を組み合わせた写真を撮るために、あえて星の写りにくい都市部で撮る必然性が(この写真には)ないようにも感じられる、ということかなと思いました。別の場所で撮れば、もっと綺麗な星と桜を組み合わせられただろう、と。あの写真に対する私の感想ですけど、桜の写りがちょっと小さく、画面構成の中で桜をもう少し大きくできればなあ、と思いました。そういう都合のいい場所があればいいんでしょうけど。それと、あの写真の場合、都市を感じさせる建物があまり目立って写っていないので、そのために前述のような評価になったのかもしれません。

それから「時代の流れの ~ 寂しさを感じます」という一文ですが、私は総評全文を読んでいないので判りませんが、この文を読む限りはデジタルの天体写真を否定しているようには感じませんでした。ただ「寂しさを感じます」と、フィルムで天体写真を撮ってきた評者の感想を言ってるように思いました。まあ、東山さんの場合、いままでにいろいろと言われているようですから、東山さんの感想も理解できます。感想というのは人それぞれですから、どんな感想があっても仕方ないと思いますよ。「評価」っていうのは結局、感想でしかありませんから。

私もこちらのブログを参考にしてコンポジットによる天体写真をたまに作成していますが、都市部ではない暗い場所で撮る場合、少しだけ違和感を感じます。星がくっきり写りすぎるんですね。それはそれでいいとも思うんですけど。だから、あまり長時間にしないようにしています。都市部で活かせるテクニックなのかな、とも思います。

>この夏には東京都心にどかんと横たわる天の川を狙うつもりですが

これ、凄く興味があります。楽しみにしてます。

(駄文、失礼しました)

投稿: つるカレ | 2008/06/08 01:08

フィルムファンnot天体写真ファン
といえば,いつまでもキャブレターに拘り続ける
おっさんライダーと大して変わらんという感じを受けます。

バイクから天体写真を類推するのは,ちょっと乱暴かもしれませんが
「新しいものについてこれないだけの,頑固なおじいちゃん」
のそしりは免れないんじゃないか,と思ったりもします,天文雑誌編集部。

投稿: satoko | 2008/06/07 22:55

103aやTP2415の水素増感がアリでデジタル(というかCCD,CMOSか)だと文句つけられるという感じなのかな?
天体写真って昔からフィルム冷却とか水素増感とか,色んな技術革新を受け入れてきたのにね。
デジタルだと文句あるんなら,ハッブル宇宙望遠鏡の写真はどうなるんでしょう(笑)。

フィルムカメラをさわるというプロセスを否定してるわけじゃない。
ただ,写真はプロセスで評価するものじゃないよね。結果を得るために色んなプロセスが必要となるだけかと。
フィルムというメディアに愛着わく気持ちはわかるけど,メディアはメディア。
テレビもメディアだけど画質がきれいになってもくだらない番組だったら見ないでしょうに。

なんて思います。よ。

両方使っていてそう思います。

投稿: naka | 2008/06/07 14:58

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