福井でCS3の概念を知る
先週末になりますが、福井に行ってまいりました。CANという、冷却CCDの団体に招かれ、僭越ながら「比較(明)大量コンポジットによる都会での星景写真」というタイトルで講演してきました。
人前でお話をするにあたって、パワーポイントで資料をしこしこ作ったのですが、今さらながら「比較(明)大量コンポジット法とはそもそも何か」という根本を考え直すのにとてもいい機会でした。質疑応答や、その後、東京に戻ってから別の飲み会で聞いた話もミックスされ、この手法の理論背景が、なんとなく自分の中で分かってきた感じです。
あと、それも踏まえて、ですが、まだまだ手法が分かりにくい部分が多いということを再認識しました。遠からず、一から分かる大量コンポジットのページでも作ろうと思います。
さて、それはまぁいいとして、今回の福井遠征のもう一つの目的は、よっちゃんのフォトショップテクを見ることでした。彼は、1時間の講演で3枚の写真を実際に画像処理してくれたのですが、いやもうエレガント。上質のクラシックコンサートを聞いているかのように心地よい1時間でした。
この講演を見て、ようやくフォトショップというのものがなんなのか分かった気がします。フォトショップってのは、極論すると、いわゆる「画像処理ソフト」じゃないんだね。
普通の画像処理ソフトというのは、例えばシャープとか、トーンカーブとかの「効果の種類をまず選んで、次にその効果の強さを決め」ていく。アクションと、その結果がリニアなんですな。そういう行為を繰り返しながら、絵を作っていく。私のフォトショップの使い方も、そんなんやった。
でも、フォトショップの本質はそうじゃない。これはもうソフトじゃなくて「概念」なんだ。
例えば、レイヤーは元の画像に別の画像をのっける「透明なシート」というだけでなく、色やトーン調整といった「機能」も乗っけられるんだという考え方。そして、そんな機能をどの部分にどれだけ及ぼすかという「効果の度合い」は、元画像と同じ縦横ピクセルにどれだけの係数を与えるかということに他ならず、係数0倍→255倍を黒→白と表記すれば3次元じゃなく2次元ですむ、と。それが「マスク」という白黒の画像なんだね。さらにフォトショップがすごいのは、マスクは画像(と同じ)なんだから、マスク自体にトーンカーブやシャープをかけて、効果の度合いをさらに細かく決められますよ、ってことなんだ。
これはもう「世界観」だね。数学的に美しいと思う。それに気づかせてくれて、よっちゃんありがとう。
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