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2008/03/24

40D改での一般撮影

 40DのローパスフィルターをHα透過改造した場合、一般撮影ができなくなってしまうのではないかという懸念があって、改造を躊躇されている向きも多いのではないかと思います。

 私は普段、大量コンポジット星景写真と一般撮影には、無改造5Dしか使っていなかったのですが、最近たまたま40Dを持ち出す機会があり、Hα改造された40Dでもホワイトバランスをマニュアルで設定すれば充分使える感触を得ましたので報告します。

 私の40Dは、趣味人さん経由で瀬尾さんに改造していただいたSEO-SP2で、ダストリダクションを取っ払ってゴーストを出にくくしたバージョンです。ただ、ダストリダクションを残したSP2Eもフィルターの特性は同じだと思われます。

Shou

左がAWB(オートホワイトバランス)でそのまま撮影したもの。赤いですね。そして右が、白いものを撮影した画像でマニュアルホワイトバランス(MWB)をとったもの。被写体はうちの愚息と嫁方のひいばぁちゃんです。充分良好な補正だと思います。

40DのMWBは、いったん撮影した白い画像を「白だ」と認識させて、それ以降の撮影を補正させます。欠点は、MWBの参考にする白い画像がなくなってしまうと(CFからPCへ画像をすべて移してしまったりすると)、MWBの情報がなくなって設定がリセットされてしまうことです。ですので、CFを入れ替えるたびにMWBを取り直さなくてはなりません。1DsMkIIIとかは一度設定すれば、その情報を覚えておいてくれるみたい。40Dは色温度でもホワイトバランスを設定できるので、そちらで決め打ちしてしまうと設定は保持されるみたいですが、それは試してません。

今回は、補正量が、Hα改造しても充分使える量を確保しているということをお伝えしたかった。

 

下の写真は息子を撮る4歳の姪っ子(息子から見ればいとこ)。生後すぐの子は、子どもから風邪とかの病気をうつされ易いらしいので、姪っ子も腰が引けてます。あまり近づかないようにお母さんから厳しく言われていて、時間も少しだけ。「かぁわいい~」を連発してたけど、キミもかなりかわいいよ。

Shou3

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2008/03/16

私事で恐縮ですが、去る11日、長男が生まれました。

3142gで、幸いなことに母子ともに健康です。嫁は出産後の出血で貧血が続いていたのですが、処方された薬が効いて一安心。明日、退院して、しばらく実家に帰る予定です。

嫁には写真のコンポジットをしてもらったり、撮影の暇つぶしに付き合ってもらったりと、彼女なしには大量コンポジット星景写真は成立しなかったでしょう。これからは親子3人、三人四脚で歩んでまいります。ま、夏の日食は一人で行きますが。

 

そんな日曜日、母方の伯父が69歳で急死したという訃報が飛び込んできました。10年ほど前に脳梗塞をわずらっていたものの、元気を取り戻し、この日も地元のスポーツセンターに出かけていたそうです。出産でしばらく上京してくれていた母は、昨日地元に帰ったばかり。長距離移動続きのとんぼ返りで、体を壊さなければいいけれど、とちょっと心配しています。

 

生命訪れ、生命去る。そんな春、でした。

 

(この記事はコメントをストップしております。ドタバタでお返事できそうにありませんので。あしからずご了承ください)

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2008/03/09

2008年8月1日、中国皆既日食

さぁ、今年もやってまいりましたよ。皆既日食の季節が。

今夏の日食は8月1日。場所はロシアから中国にかけて、です。来年の中国・日本日食の陰に隠れてちょっとマイナーな印象もある日食ですが、ノンノンノン。前回のリビア・トルコ日食が、人類初の「一眼デジカメ投入」日食だったように、デジタル技術の急激な進化の前に1年の歳月は長すぎます。来年の中国・日本日食、そして本命のイースター島・タヒチ日食に続く日食3連戦の重要な前哨戦と言っても過言ではないでしょう。個人的には、大量コンポジット日食写真を試してみようと思っています。

さて、重要なのは観測地選び。今回の日食の詳細はこちら(NASAの専用ページ)です。

皆既帯はロシアから中国にかけてですが、晴天率が高いのはモンゴル近くの中国です。しかし、中国は皆既の始まりが夕方なのがデメリットです。太陽高度が低いため空気の層が厚く、コロナは暗くなり、シャープネスもそれなりでしょう。逆に、地上の風景とからませた写真は撮りやすそうです。

次に、現在企画されている日食ツアーを検証します。リビアなどと違って入国しやすい中国ですから、個人旅行という選択肢もありますが、こと日食は事前の準備と機材の搬入が大変です。私はいつもツアーで参加することにしています。

天文雑誌の広告などによると、モンゴル国境近くの砂漠を観測地にしている例が多いようです。地平線近くまで視界が開け、晴天率も高そう。皆既中の太陽高度は約20度、継続時間は2分ほどです。値段は日通旅行が安くて5泊6日で27万円、7泊8日で30万円。天文ガイド協賛の9泊10日は38万円です。ユーラシア旅行社の5泊6日29万円も安いですね。ただ、1日で800km(直線距離)のバス移動などもあってしびれます。まぁ、リビアの時の超強行軍ほどじゃありませんが。

一方、太陽高度は15度、皆既継続時間は約40秒ながら、万里の長城の最西端の城跡「嘉峪関(かよくかん)」で撮影するツアーもあります。今日食の狙いが、コロナじゃなくて、コロナを含めたランドスケープだと考えるのであれば、万里の長城を前景できるのは魅力的です。私は今回、この嘉峪関を観測地にしたツアーに参加することにしました。

Yoteichi_2

Lat.: 39.8018° N
Long.: 98.2177° E
Total Solar Eclipse
Duration of Totality: 0m46.8s
Magnitude: 1.002

Event Date Time (UT) Alt Azi
Start of partial eclipse (C1) : 2008/08/01 10:16:43.1 25.9° 272.3°
Start of total eclipse (C2) : 2008/08/01 11:14:26.1 14.9° 281°
Maximum eclipse : 2008/08/01 11:14:49.6 14.8° 281.1°
End of total eclipse (C3) : 2008/08/01 11:15:12.9 14.7° 281.2°
End of partial eclipse (C4) : 2008/08/01 12:08:50.4 04.8° 289.3°


大きな地図で見る 

このツアーは、台湾の天文ジャーナリストPK氏が中国の旅行社に企画させたもので、7月29日上海集合、8月5日解散の7泊8日で24万2000円+香港往復料金(成田発着で8万円程度)です。日本人枠は17人。テント泊がなく、バスでの移動も最大3時間程度と最小限なのがメリット。デメリットは申し込み期限が4月15日と早いことです。これは、現地のホテルが北京五輪の余波もあって争奪戦になっており、手付金を早めに支払う必要があるからです。詳細な日程は下記の通りです。

7月29日
9時45分成田発(CX509便)13時25分香港着。香港島からフェリーで深センへ。その後、飛行機で西安へ17:10--19:35。夕食・宿泊は5つ星級のホテル

7月30日
朝食後、西安城壁など西安を観光。13:30西安発(CZ6896便)15:55敦煌着。鳴砂山を観光、4ツ星級ホテルで夕食・宿泊。希望者がいれば砂漠で星の撮影(タクシー費用は各自負担で、ツアー代金には含まれません)。

7月31日
朝食後、古代の洞穴「莫高窟」など敦煌を観光。昼食の後、3時間のバス移動で嘉峪関(かよくかん)へ。嘉峪関は明代の万里の長城の西端で、シルクロードの始まりの都市でもあります。4ツ星級ホテルで夕食・宿泊

8月1日(皆既日食当日)
朝食後、付近の万里の長城を観光。昼食後、観測地に向かい、観測の準備にかかります。皆既の時間は現地時間で 1915pm です。希望者がいればタクシーで万里の長城まで行き、星の撮影を行います(費用は各自負担となります。ツアー代金には含まれません)

8月2日
朝食後、バスで酒泉へ。昼食後に酒泉公園などを観光。16:36 夜行列車にて蘭州へ(翌7:00着)。夕食は車内で。

8月3日
蘭州のホテルにチェックイン後、市内を観光。昼食と夕食は現地のレストランで。宿泊は4ツ星級ホテル

8月4日
早朝、空路で西安へ。到着後に「泰の兵馬俑博物館」を観光。夜にナイトショー。5ツ星級ホテル

8月5日
朝食後、飛行機で西安から深センへ。フェリーで香港島に向かい、本ツアーは解散。日本組は香港から成田へ。

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2008/03/07

天文ガイド4月号で最優秀賞

ご報告が遅れましたが、天文ガイド4月号の読者の天体写真コーナーで最優秀賞をいただきました。すでに何人もの方にコメントなどでお祝いをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

写真のデータなどはこちら、合成ソフトの詳細はこちらです。

Lb

どちらかというとこの1年、正統派とは逆の写真ばかり撮っていましたから、このような評価をいただけたことは素直にうれしく思っています。また、最近では、天文雑誌やネット上でもこうした大量コンポジットによる星景写真を見かけるようになり、少しはこの手法が一般的になってきたかなぁと思うと感無量です。

今回の受賞は2月の初めに編集部から連絡がありました。ソフト制作者の Kikuchi さんを除いて一応ヒミツにしていたのですが、うれしさのあまり 2/9 のブログでこそっと匂わせたら、よっちゃんに見事に看破されてしまいました。すさまじい洞察力でした。

この日前後のよっちゃんのブログとこのブログ、そしてここ数日のよっちゃんのブログを通して読んでいただけると、まるで思春期の女子高生のようなヒミツのやり取りに仕上がっています。30越えたおっさん同士のするこっちゃありませんが。

Lb2

誌面に掲載された私の写真も、ギターに対抗してキーボードをバックにあしらってみました。

加えて、嫁から、「写真の私は太っているんじゃなくて、来週にも出産するんだってことをちゃんとブログで説明しておくように」とキツいお達しがございましたこと、この場をお借りしてご報告申し上げます。

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2008/03/02

シャア専用KikuchiMagick

大量の画像を、簡単に比較(明)コンポジットすることができる KikuchiMagick for Windows が、大幅にカンタンになって生まれ変わりました(正式名称は LightenComposite、Kenさん作成)。

Kikuchi3_2 

  • ImageMagickのインストール不要
  • コマンドラインからの命令も不要
  • これはもう、普通のソフトです(笑)

さらに、マルチスレッドに対応するなど、機能は大幅に強化されました。Pentium4 などのハイパースレッジングCPUや、Core2Duo といったデュアルコア以上のCPUで、計算が高速化されます。私の Pentium4 マシンでは、コンポジット速度が2~3倍になりました。すでにこれは赤い彗星・・・シャア専用KikuchiMagickと言えるでしょう。

 ■インストール

こちらのページからLtCompositeSetup-0.1.2.exeをダウンロードし、実行してください。自動的に解凍され、インストールが始まります。

(2010/8/18更新)すでに新しいバージョンが公開されています。最新情報はこちらから入手してください

 ■使い方

「参照(1)」ボタンを押して、コンポジットしたい画像が置かれているフォルダを選びます。「サブフォルダも処理する」にチェックを入れれば、そのフォルダの下にあるすべてのフォルダの画像も処理対象になります。

Kikuchi1

次に「参照(2)」ボタンを押し、合成した画像を保存したい場所を選びます。

Kikuchi2

名前はデフォルトで「output」、出力形式は「jpg」になっています。いずれもお好きな名前、形式に変えられます。例えば、bmp形式で保存したい場合は、ファイル名を

orion.bmp

などとしてください。ファイル名で bmp、tif などのファイル形式を指定すれば、「ファイルの種類」にある *.jpg の属性は無視されますので、変更しなくて大丈夫です。

そして、「実行」ボタンを押せば、コンポジットが始まります。

Kikuchi3_3

シングルCPUだと「1スレッド実行中」、マルチコアCPUだと「2スレッド実行中」などとなります。

 ■注意点

本ソフトは、Windows Vista、XP、2000 (いずれも32bit)で動くことを一応確認しましたが、すべての環境については検証していません。

まれに、ソフトを立ち上げて実行しようとした瞬間に、ウインドウズがエラーを起こす場合があります。その場合は、もう一度、このソフトを立ち上げて再度実行してください。この不具合の原因は現在調査中です。

そのほかのサポートなどに関しましては、解凍後に作られる ReadMe.txt をお読みください。こちらのページでもなるべく対応いたしますので、お気軽にご相談ください。

結果報告もお待ちしております (^o^)/ 。最後になりましたが、本ソフトを作成くださったKenさんに感謝いたします。

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2008/03/01

重量級のドキュメンタリー

1月に講談社インターナショナルから発刊された英文の写真集「A Geisha's Journey (和名:芸妓小桃、3150円)」を見た。

Nao1

舞妓を夢見る一人の少女が、花街に入り、芸妓としてデビューするまでの7年間を追った、実録のドキュメンタリーである。写真家の荻野NAO之氏は、大学に入ってから写真を始め、名古屋から京都に通い始めた。舞妓は夢を売る世界。その舞台裏は表に出さないのが普通だ。

しかし、「京都は学生に優しい街。自分が大学生だったのが幸いした」と彼は言う。置屋への出入りを許され、そして、後に小桃となる一人の少女と出会う。数多くいる入門希望者の中で、プロとしてやっていく気概を感じる少女。そして、彼は、入門前から彼女の写真を撮り始めた。

こうして、かつてなかった、おそらく、今後も二度と撮影できないであろう、「一人の少女が芸妓になるまで」を追った写真集が生まれた。この作品は、極めて良質な、重量級のジャーナリズムである。

Nao2

この7年間に、彼は宇宙物理学の学部を「自分が出合ったおもろい教授たち」の写真展を卒業論文にすることで卒業し、国内最大手の広告会社に「映画を撮りたいから」と言って就職。そうこうしているうちにフランスの格式ある写真展で連続入賞し、会社も辞めてしまった。

「卒業はしたいんだけど、卒業論文を書く気はないんです。そんなのが許される研究室ってないですか?」「そりゃぁ、Z研やで」って会話をしたのが懐かしい。そう考えると、そんな横暴を許した佐藤教授はやっぱ大物やったなぁ。今春退官されるそうで。お疲れ様でした。

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