2012/11/22

写真集「都会の星」ついに発売!

Tokainohoshibs_2

写真集「都会の星」が発売されました。大阪・淀屋橋駅の本屋さんでは平積みされていて、おぉ~って感じ。みんな手に取ってくれるといいなぁ。

 

思えば、すべての始まりは今年3月、1通のメールからでした。

 

東京・銀座のリコーギャラリー「RING CUBE」にいた坂口さんから、gmailにメールが届いたのです。「初めまして、突然のメールで失礼致します」から始まるメールにはすでに、「都会の星空の写真展」を検討していること、この企画を受けることは可能ですか?とありました。

このブログを見て、連絡してきたというのです。正直、驚きました。

 

メーカーのギャラリーが、素性もわからない人間に、こんな体当たりで打診することがあるのかと思いました。私は天文雑誌「星ナビ」や「アサヒカメラ」などで多少、記事を書いたりしていましたが、そうした雑誌の関係者に事前に問い合わせをした形跡はありません。もちろん、私は朝日新聞の記者ですので、朝日新聞紙上に署名記事を書いていますが、あくまで記者であってカメラマンではありません。

 

半信半疑のまま、返事を出しました。

 

大変光栄ではあるけれども、そもそも作品数が30点弱しかない。それも2007~2009年と古いのものがほとんどで、最近はまったく撮っていない。それに、現在は大阪在住なので、打ち合わせが難しいし、追加の作品も関西中心になるだろうといった内容です。

 

そして尋ねました。「写真展は、いつごろの予定ですか?」

 

返事はすぐに来ました。

めどは7月だというのです。ここで再び驚きました。あと実質3カ月しかありません。イベントを企画した方はわかるでしょうが、これはちょっとあり得ないスケジュールです(まぁ、新聞社だとたまにありますが)。

 

あとからわかるのですが、このころリコーはペンタックスとの合併で、ギャラリーそのものの存続が危ぶまれていました。毎年開いていたボランティア組織「doughnuts」の企画展も、開催できるかどうかわからない状態だったのです。実際、「都会の星」写真展を開いたRING CUBEの8階は、今回で一時閉鎖になりました(9階でのギャラリーは続いています)。ぎりぎりになってようやくGOサインが出て、「最後になるであろう写真展」を開くことになったのです。

 

数回のメールのやりとりの後、坂口さんと、責任者の橋本さんらが4月の半ばに大阪まで訪ねてきて下さいました。そして、足りない作品はこれからできるだけ撮って、50作品くらいに増やすということで、「なんとなく」私の写真展は開催される方向になりました。

 

ちなみに、この橋本さんこそが、いろんなところに掛け合って開催にこぎつけさせた人物です。

初対面は30分くらい話しただけで、すぐ東京にとんぼ返りされましたが、柔和なおっちゃんという印象でした。でも、そこは私も新聞記者。「仕事には厳しそう。一筋縄ではいかんな」と思いました。そして、その読みは見事に当たります。

 

当時、私は新年度から朝日新聞大阪科学面で始まった「キセキを語る」という科学者を紹介する企画のとりまとめをしていて、初回となる4月に京都大の山中伸弥教授のインタビュー連載を書いていました。5月分の仕込みもあるなか、京都・祇園の暴走事故もあったりして、かなり崩壊気味でした。

 

それでも、スケジュールを考えると、4~6月の3カ月で20作品ほど撮らなければなりません。6月は梅雨に入ってしまいますし、月が大きい毎月の1週間ほどは撮りにくいので、実質、4月と5月の3週間ずつしか残されていなません。ざっくり40日で20作品ということは、晴れたら必ず撮りに行かなければいけないということです。

 

天気予報とにらめっこして、大型連休の初日に神戸と明石、六甲山をまわって一晩で3作品撮りました。東京出張の帰り道、晴れているのを見て名古屋で途中下車し、トップカメラでミニ三脚を買って、駅前で2作品をGR4で撮影しました。終盤には、GR4とD800、5D2を3台使い、1台設置して放置したまま2台目をセッティングし、2台目の撮影が始まったら3か所目に移動し、3台目の撮影が始まったら1台目を回収に行く・・・という技で一晩に6作品撮りました。

 

橋本さんにはその都度、進行状況を報告していましたが、撮っても撮っても「よくやった。じゃ、もっと撮ってね♪」と笑顔でぎりぎり責められました。正直このころ、会社からの帰り道が曇っていたら、「あぁ、今日は撮れないなぁ」と、うれしくて仕方なかったです。

とはいえ、4月以降の「関西シリーズ」は結局、23作品になりました。明石海峡大橋や大阪城大手門、通天閣や戎橋など、代表作になりうる作品がいくつも撮れたのは、あのプレッシャーがあったからこそと思います。坂口さんや橋本さん、そのほかRING CUBEやdoughnuts関係者の皆さんには感謝してもしきれません。

 

ライターの石井ゆかりさんとのコラボも、doughnutsのみなさんの発案です。

前述のような状況でしたので、私はコラボの提案があった時も、そのへんはもうお任せしますからよろしくお願いします。こっちはちょっとそれどころじゃないんで、という感じでした。

 

石井さんとは、写真展が始まって7月7日にトークショーがあった時に初めて会いました。

 

実は、私は石井さんの文章がどんな風になるのかまったく想像できていなくて、彼女にも写真と撮影日時、タイトルくらいしかデータを渡していませんでした。写真を見て、彼女が思ったことを書くんだろうなぁくらいに考えていたのです。

 

ところが、できあがってきたナビゲート文は「この星はたぶん、アルデバラン」とか「右上にあるのは北斗七星のひしゃくの柄」とか、写真に写っている星座や星をほとんど「解説」していて驚きました。そんなことまで、なんでわかったん?と。

 

聞くと、星の動きから撮影方向(北の空とか、星が右下に流れているから西の空だとか)を割り出し、撮影日時から写っている星座を一つひとつ調べたというではありませんか。

 

私は、ごめん! そんなことならもっと詳しい撮影データを渡しとくんだったと謝ったのですが、その根性に舌をまきました。ギャラリーでも、サインを求める途切れない列にずーーーーーっと丁寧に対応していて本当に頭が下がります。

石井さんのおかげで、写真展は、23日間の期間中に1万2494人の来場者がありました。1日平均543人という数字は、新人の写真展としてはちょっとない数字です。なにより多くの女性に来ていただけて、とかくおっさんの趣味になりがちな写真+天文というカテゴリーの写真をご覧いただけたことは、天文業界にとってもとてもよかったと思っています。

 

そして、洋泉社の編集の雨宮さんから、写真集の企画をご提案いただきました。表紙も印刷も雰囲気もすごく素敵な写真集になったと思います。重ねて感謝申し上げます。

 

写真集を作るにあたり、雨宮さんにはお願いしたことが一つだけありました。

写真集と言うと通常、数千円してしまうものですが、小さくてもいいから中高生でも買える値段設定にしてほしいということ。そして、愛する人へ、大切な友人に贈りたくなるような本にしてほしいということです。
この「都会の星」を手にしたみなさんが、そんな気持ちになってくれることを、心から祈っています。

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2012/11/06

「都会の星」書籍化

7月に銀座・RING CUBEで開催した写真展「都会の星」の写真集が、洋泉社さんから発売されることになりました。

Tokainohoshibook

すごーい。11月21日発売予定で、すでに予約も始まっています。

写真展を開けただけでもラッキーだったのに、写真集まで声をかけていただけるとは。このご時世、写真集ってなかなか難しいですからねぇ。2012年、いい年だったなぁ(すでに回顧モード)。

写真展を見に来られなかった方も、見に来ていただけた方もぜひ。

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2011/02/10

【CP+2011】CanonKissX5触った 高感度性能に驚く

昨年に引き続き行ってきました。

やはり、まずはとにもかくにもキヤノンブース。

キスX5とX50が発表されて、さてどないやねんと。バリアングル液晶がついただけちゃうんかと。むしろ、1200万画素のままDISIC4になったX50がすごかったりするんじゃね↑とかがメーンである。

X5

まずX5。グリップが一回り大きくなった印象。がっちり感がある。

手持ちのX2と、会場の天井の暗いところを撮り比べてみた(ISO1600、1/125秒、F6.3)。

メモリが刺せないので、液晶で確認しただけですが、驚きのローノイズ!!

X2だと黒い背景に赤や黄色のノイズが出る感度ながら、X5は非常にクリア。昨年のCP+2010で、X4と同じように撮り比べ、「X2とX4はほぼ同じ」と判断した。画素は上がっても同レベルなのはすごいけど、買い換えるほどじゃないなと。

それが段違いの進化である。なんで? X4と同じCMOSとDISICじゃないの!? これが1年の違いなの?


X50

次にX50。

X5がこれなんだから!!と期待したが、残念ながら、X2とほとんど同じように見えた。

たった数分の、液晶画像を見ただけという判断ながら、高感度性能は X5>>>X4=X2=X50という感じ。

ま、X50はすでに発売直後と思えない安さなので、そう考えると健闘しているとも言える。


X50ura

ただ、すべての作りが非常に「チープ」。赤も、例えば薄いピンクだったりすると春っぽくて良かったような?

あんまり期待してなかったけど、X5はかなり買う気になってきた。

レンズ編に続きます。


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2010/08/05

1200万画素機の勝負

フルサイズ機の5DとD700、そしてAPS-CのkissX2という、いずれも1200万画素機を解像力勝負させるとどうなるんだろう? ニコンの14-24が手に入ったので、やってみることにした。

通常、フルサイズとAPS-Cの比較では、レンズの性能が無視できない。解像度は焦点距離が長い方が有利だからだ。

でも、14-24なら、14mmでも24mmでも、4000万画素級に耐えられる解像度がある。1200万画素程度なら余裕だろう。今回は、APS-Cで14mm、フルサイズで22mmで撮り比べた。ISOは200、シャッター速度は1/4000秒、絞りはF3.2で統一した。

ちなみに、もしX2と5Dが大差ないのなら、1年間屋外に放っておくような観測写真がすごく楽になるなぁと思ってる。5Dの代わりにX2が使えるとなると、同じ値段で3システム組めるからだ。

では、さっそくいってみよう。

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元画像の長辺を400ピクセルにリサイズしたものと、中央部のピクセル等倍(右)。「安全第一」の文字は何とか判別できる。

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同じ露出なのに、明るいのは太陽の照り具合によるものか? 「安全第一」は心眼でないと読めない。ピントが十分合っていないような気もするが、シャープネスが弱いのか?

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こっちは暗いなぁ。同条件で比較できてなくてすいません。なんとか一緒に撮ろうと思ったんだけど、暑くて暑くて。考えてみたら、jpgの設定を考えていなかった。でも、ニコンとキヤノンではもともと違うしなぁ。さて、こっちは「安全第一」は比較的読みやすい。

総合すると、一番解像力がよさそうなのは1枚目のようです。でも、ちょっと画像処理でがんばってるような気もする。2枚目と3枚目だと、普通に見たら3枚目の方がよく解像してると思う。

さて、みなさんはどの写真がどの機種か分かりましたか?

答えは、(1)D700、(2)5D、(3)kissX2でした。5Dはライブビューがないので、最後までピントに不安の残る結果でした。まぁ、それも含めて実力のうちと言うことで。

ちなみに、5D2も張っておきます。

5d2fin

やっぱ圧倒的だなぁ。

ということは、レンズが十分解像して、さらに十分な光量がある条件下では、フルサイズかAPS-Cかというのはあまり関係ないのかもしれない。なら、5D2と7DやX4といった1800万画素機だったらどうなんだろう?

いい勝負なのかなぁ?

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2009/03/27

PIE2009に行ってきた (EOS KissX3 と Gitzo編)

国内で開かれる最大の写真・映像機材の展示会「PIE(フォト・イメージング・エキスポ)2009」に行ってきた。

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場所は東京・有明の国際展示場(東京ビックサイト)。ちなみに、29日まで開かれていて、ネットで事前登録すれば、1000円の入場料がタダになります。

まず目につくのはキヤノンのブース。いきなりメリーゴーランドでピエロとオンナノコが回っていて、展示しているカメラで撮ってくれやという趣旨。気合入ってんなぁ。

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今回発表になったkissX3もあった。フルHD動画搭載で1500万画素でDISIC4。ただ、5D2と違って外部マイクが使えないこと、コマ数が24fpsから20fpsになっていることで差別化されている。

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あとはX2と見てくれも操作もほぼ一緒。ってことは私にとっては使い方がよくわからんということでもある。とりあえずフルHD動画が撮れているのは確認した。まぁ、それ以外のところもうまくまとめているのでしょう、キヤノンのことですから。50Dでの実績もあるしね。

逆に、シックな装いだったのがニコンのブース。

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新製品は特になかったけど、キヤノンに負けず劣らず賑わっていた。個人的にはメディアポートが面白かった。これ、ヘッドアップディスプレーにカメラが付いていたら、実際に見える風景に画像処理を施せて楽しいんじゃないかと思う。でも、ノートPCにつなげられていたデモでは、画像処理のタイムラグが5秒!くらいあった。さすがにリアルタイムはまだ無理のようだ。

あとは、おねいちゃんをみながら会場をぶらぶら。

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これはシグマのブース。APS-Cサイズの画像素子を持つコンパクトデジカメDP2に気合が入ってたけど、まぁ、kissX2の方が・・・とか思い始めるとよくないんでしょうなぁ。

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これは個人的に注目してる中国の三脚メーカー BENRO のブース。ここは、ジッツォみたいな180度開脚してコンパクトになるカーボン三脚とかを作ってる。

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重さもそこそこ。脚をもってひねりを加えるとむにむにひねられちゃう印象だけど、それは本家ジッツォのGT1541Tとかと比べるから。値段が半額以下とかだったらいいと思うんだけど、でも結構高いんだよねぇ。

で、本家です。

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オーシャントラベラーGK1581OTきた。やっぱりかっけ~。水槽の中で煮られております。ブルーのラインがかっけ~。でも、GT1541Tと比べると、思いのほか重量感があってちょっと萎えたのも事実。

Pie06

各パーツがそれぞれ置かれていて、ご自由にお障りくださいということらしい。手に取ると、オーシャントラベラー用のステンレスパーツ(真ん中下)はかなり重い。そっか。ステンレスって重いんだなぁと実感。その上にあるのが90TTに使われているチタンのもの。さすがに軽い。

でも、その右や上にあるマグネシウムのパーツ類は、かなり削りこめることもあってか(加工しやすいから?)、ベラボウに軽い。こんなにごついのに紙みたいな重量感。いやほんと。これはすごいわ。カーボンのパイプも一番上にある6Xになると、これまた紙みたいな軽さ。すげすぎる。こーゆーのは、個人では絶対に作れないなぁと、正直思った。

(次回は、天文編です)

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2009/02/19

TS-E 17mmF4L と 24mmF3.5LII 発表

キヤノンから、TS-E 17mm F4 L と TS-E 24mm F3.5 L II が発表になった。

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特に17mm。なんじゃこの暴力的なデザインは。すげすぎる。いや、ほんとマーベラス。

TS-Eレンズは、EOSマウントでいわゆるシフト・ティルトができるレンズシリーズ。特にシフトは、普通にビルなどを「見上げて」撮影すると上すぼまりになったり、机の上の香水を上から撮ると下すぼまりになっちゃうのを回避するテクニック。これらは建築写真や商品写真(いわゆるブツ撮り)では必須の技術で、これがないと話にならん。逆にいえば、こここそがAPS-Cを含めた35mmシステムの弱点でもあった。まぁ、最近はフォトショップでどうにかできちゃうんだけど、どう頑張っても画面の一部を切り取ることになるから、2100万画素あってもすべてを有効利用することはできない。シフトできるんならできるに越したことはないのである。

もちろん、これまでにもTS-Eシリーズには24mmとブツ撮り用の90mm、そしてその中間の45mmがあった。ニコンにも24mmと45mm、85mmがあって、こいつらは一足先にリニューアルされている。でも、キヤノンもニコンもこれまで、「シフト・ティルトが同じ方向にしかできなかった」。それが、この2機種は「ティルトとシフトの移動方向の関係を±90°の範囲で変化可能」になったようだ。こいつは本当にすごいことですぜ!?

まぁそれはいい。

我がブログのメーンは都会での星空撮影であるので、うちのブログ的なシフトレンズの効果を実際に見てみたいと思う。例えば、先日の歌舞伎座の写真。16mmで撮影したんだけど、かなり上すぼまりになっている。

Kabukiza

(せっかくなので、でかい画像で載せてみた。↑↓クリックすると広がります)

これの上すぼまりをフォトショップで解消させると、、、

Kabuki2

あ~なんてモッタイナイ。マータイさんもびっくりである。ここからさらに長方形に切り出すことを想像してほしい。でも、上すぼまりはほぼ解消され、建物は自然な描写になった。

これが、17mmの画角でそのまんま、2100万画素そのまんまでイケるのである。シビレル~

これを可能にしているのはレンズのイメージサークルの広さだ。通常のレンズはフルサイズでも24mm×36mmの長方形の斜め方向である約48mmあれば十分。実際には55mmくらいあることが多いけど、±12mmもシフトさせるためには、最低でも60mmは必要になる。実際には65mmくらいあると思う。それを17mmの画角でやるのがどれほどの無茶か。結果、あんなニコンの14-24mmのような造形になったのであろう。

しかし、まさに、オレに使ってくれと言わんばかりのこのレンズ。16-35IIと24IIを手放す価値が、あるやなしや。

それはさておき、個人的にはシフトレンズって星野写真にも使えると思うんですよ。だって、同じレンズから別の構図を切り出すわけだから、つなぐ際に収差のことを気にしなくていいんじゃないかなぁ。で、縦方向に±12mm移動させた2枚で36mm×48mmの4200万画素。やっほぅい。ついでに横方向だけパノラマ回転させちゃいますか。これなら48mm×72mmで8400万画素。うひほ~。CS4に64bitOS、12GBメモリなら扱えるはず。まぁ、でも、ここまでやるなら収差も絶対補正するし、バックグラウンドも均一じゃないだろうから手間は一緒かな?

それでも、TS-E 90mmを縦横が倍ずつにしたら、45mm相当になってオリオンがぴったし。うしし。やってみてぇなぁ。

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2009/02/12

A4に必要な画素数、通説はウソ?

昨春に1DsMk3を使い始めてから思っていたことがある。デジカメの画素数と、プリンター解像度のことだ。

5Dの1200万画素と、1Ds3や5D2の2100万画素。どっちもとっくにA4にプリントするのに必要な画素数を超えているはずなのに、実際にプリントしてみると、「解像感」がまったく違うのだ。これはもう明らかに。

なんでか?

2013/11/28追記)ローパスです。5Dの時代のローパスフィルターはかなりぼかしが大きくて、1200万画素とはいえ解像度がそんなになかったんです。上下左右2ピクセルぼけたらそれで実質300万画素。A4に足らないわけです。2000万画素級になった時期、ローパスも急激に効果が薄くなりました。これは、画素数が上がっただけでなく、ソフト側でモアレを除去できるようになったからです(大量の演算を省電力ででき、バッテリーの容量も上がった)。もちろん、レンズの進歩もあります。EF16-35IIでは厳しいけど、AF-S14-24はゆうゆう超えます。だから、5D1+EF-16-35IIと5D2+14-24の間には、A5とA2くらいの差があると感じます。

そもそもA4に必要なのは、600万画素くらいとよく言われている。これは、人間の目の解像度が200dpi程度であるというのが理由の一つのようだ。A4は250mm×300mm程度なので、だいたい10×12インチ。つまり、2000×2500画素=500万画素。このあたりが出力の限界になっている、と。また、プリンタの解像度も最大300dpiくらいで、そうだとしても3000×3600=1080万画素あれば十分ということらしい。

でも、実際には違う気がする。これが不思議だった。昨年末、あるサイトで、D700か5D2かという議論になったとき、「2000万画素を超えるとA4でも明らかに違うけどなぁ」って書いたら、「ルーペで見てるのか?」ってさんざんいじめられたんだけど、そうじゃない。2000万画素級のプリントは全体をパッと見ただけで精密感にあふれてるし、部分をじっくり見るとますます違って見える。

自分だけかというと、そうでもない。昨夏、天文ガイドに「東京都庁」が入選した際は「機材が代わって精密感あふれる描写になりましたね」という趣旨のコメントが書かれたし、以前、それまでの作品のA4プリントをよっちゃんに見てもらったときも、彼は5Dの写真と1Ds3の写真を一目で見分けた。うちの嫁も「あ~ぜんぜん違うね」というから、誰しもが感じるくらいの差だと思う。

なぜか。

プリンターの解像度について検証した記事で、日経パソコンに連載された「最適解像度の研究 」という記事がある。プリンター開発者への豊富な取材に基づいた、読み応えあるレポートである。

この記事の結論でも、基本的に「写真」の解像度は350dpiくらいで十分という。しかし、この中で、これか!という記述を見つけた。それは、「文字の感度はずっと高い」と題された部分。

いわく、「視覚限界300~400dpiは写真を前提とした話。例えば真っ白な紙に印刷された黒100%の文字や線を見る場合、人間の目の感度はずっと高くなり『数1000dpiの分解能がある』(ブラザー工業の上田氏)」というのだ。

「真っ白な紙に印刷された線を見る場合」とは、「真っ黒なバックに印刷された星の軌跡を見る場合」と同じではないのか?

また、私のように、都会でのビル群をパンフォーカスで撮るような場合、それは通常の風景写真よりも、例えば空とビルの境目のような、より線画に近い描写になっているのではないだろうか。

この記事によると、通常のインクジェットプリンタは、グラフや文字にも耐えられるように、300~400dpiを超える描写性能を持っているという。例えば、神プリンターとして有名なエプソンPX-5600は5760dpiであるし、私が使っているキヤノンのiP9910も4800×2400dpiである。インクジェットプリンタでは、ある色を表現するのに10~数十ドット必要という議論もあるが、例えそれが3×3や6×6ドットだとしても、PX-5600では400dpiの2~5倍の描写性能があるのではないだろうか?

そう考えると、仮にプリントサイズがA4だとしても、星景写真や、ビル群などを被写体にした精密写真のような場合、画素数は多ければ多いほどプリントにも反映される気がする。いずれにしろ、1200万画素と2100万画素に「明らかな差」があるのは経験上間違いない。とするならば、A3にプリントするときは、2000万画素と4000万画素にも「明らかな差」がありそうだ。

そう考えると、デジカメの画素数はまだまだ、もっとあっていい気がするのである。

画素ピッチが小さくなることによる弊害もあるだろうけど、だって、デジタル一眼のCMOSなんてまだ、裏面照射すら使ってないんでしょ? まだまだですよ。

ちなみに、キヤノンはこんな論文も発表している。APS-Hで5200万画素。フルサイズなら1億画素級である。この添付写真をみても画像の破綻はないように見えるが、驚く点は、この論文が2007年発表ということだ。やろうと思えば、なんでもできるということか。

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2008/12/01

NikonD3XとCanon1DsMarkIIIと5DMarkIIのこと

ニコンから、2450万画素のフラッグシップ、D3Xが発表された。12月19日発売とのこと。

Catch

D3と同じボディに、ソニーα900と同じと思われるCMOSを積んで秒5コマ。予想の範囲内といえる。セルフクリーニング機能がないのがちょっと意外だったけど、必要かどうかは別の問題だからまぁいいとしよう。

でも、完全に想定外が一つだけあった。それは価格。yodobadhi.comによると89万8000円とのこと。これに10%のポイントが付くから実際には約80万円だけど・・・高っけ~な!

個人的な予想では、D3と同じボディとはいえ実売50万円くらいと思ってた。もちろん、α900が20万円台ってのが原価を無視したソニーマウント普及のための赤字セールだってのは重々わかってる。しかし、1Ds3がいまや60万円程度、5D2が20万円台中盤であるのを考えると、80万円って誰が買うの?って感じ。

ぶっちゃけた話、α900と同じってことは、味付けは違っても使えるのはISO400あたりまででしょ。それを考えると、1Ds3+Lレンズが1本買える値段ってのは説得力がない。

もっと言うと、個人的には1Ds3すら「もう終わったカメラ」だと思ってる。

というのも先月半ば、私は品川のキヤノンSタワーでひたすら1Ds3と5D2で撮り比べをした。データを持ち帰れなかったので液晶の10倍拡大での比較だけだったけど、同じ24-105を付け替えて、同じ絞り、同じ感度で遠くの看板を撮影。どこまで小さい文字まで解像できるか調べた。

5D2圧勝。

何度撮り比べても、1Ds3が上回ることは結局なかった。

もちろん、まだ発売前だったし、Sタワーにあったのがスペシャルチューンの5D2の可能性も残ってたので、ブログでは書いてなかった。しかし、こうして発売され、性能が確認できたので言う。5D2は1Ds3より解像感で1段分、ノイズで2段分優れている。つまり、ローパスの素材の良さよりも、DISICの進化の方が大きかったということだ。どこかの比較で1Ds3の方がまだ上っていうのを見たけど、ぜんぜん賛成できないなぁ。

1Ds3は確かに、カメラとしての信頼性、安定感、シャッターのキレなどで圧倒的に5D2を上回っている。でも、1Ds3の値段で5D2が2台とLレンズが買えるとなると、重くて高い1Ds3は私の中で急速に色あせていった。Sタワーを出て、私はすぐに5D2を発注した。そして、1Ds3をヤフオクに出した。

幸い、私の1Ds3は50万円以上で売れたけど、その後の相場は軟調のようだ。逆に今期待しているのは、1Ds3がもっと安くなってくれること。5D2にまあまあ匹敵する画質で、あの完成されたボディであることを考えると、5D2+10万円くらいまで下がれば、買いなおしてもいいかなぁと思なくもない。そう考えると、5D2ってのは他機種の値段を暴落させた恐ろしいキリングマシーンだった。当初の予定通り、1600万画素で出していればこんなことにはならなかったんだろうけど。

将来的には、1Ds4が3000万画素、50万円くらいで登場してくれると、かなり悩ましくてよい。いずれにしろ、D3Xが80万円ってのは、そりゃないやろうと思うのである。

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2008/06/07

キヤノンから新印画紙

キヤノン・プロフォトペーパーA3ノビのストックが切れたので、アマゾンで注文しようとしたら在庫がない。キヤノンHPの消耗品コーナーからも消えている。はてな? と思っていた矢先に新しい写真用紙が発表された。「光沢 プロフェッショナル(PR-201)」という名前で、7月中旬に発売されるらしい。期待しておりマス。

Pr201

さて、星ナビの7月号にこれが入選しました。プラチナリングのようだと褒めていただいてありがたいかぎり。これを撮った公園は、水銀灯が明るくて深夜でも文庫本が読めるくらいなのですが、レンズの優秀さに助けられました。最近のシグマは本当にすごいです。特にこの8mm魚眼、15mm対角線魚眼、70mmマクロあたりのシャープさはすばらしいですね。

ところで、星ナビの評の最後の「しかしながら、星空シーンと都市空間の遊離を埋める作画の必然性がないようにも感じます」という一文が、何度読んでも意味が分かりません。どなたか日本語に翻訳してもらえませんか。

「星と都市というかけ離れたものを同時に写す意味が分からない」ということ?

それとも、「星と都市を写すなら、あまりにかけ離れた両者をつなげる作画が必然なのに、それがない」ということ??

 

いやホント、デジカメで星景写真を撮り始めてから、いろんなことを言われます。天文ガイドには3入選目くらいまで「デジカメは熱カブリがあるから星景写真には向かない」と評され続けました。最近でこそ、冷却デジカメが登場して1時間ほどの露光も可能になってるようですが、高価な冷却デジカメじゃなくても、コンパクトカメラでも撮影できて、しかも、12時間超の露出も可能なんですよと証明したつもりなんですが、その後も「CGみたいなもんでしょ」と言われたり、「必然性がない」と言われたり。

星ナビといえば、読者の写真コーナーの入選作が今月、ついにすべてデジタルデバイスになったそうです。編集部は「時代の流れの必然とはいえ、古くからの天体写真ファンとしては一抹の寂しさを感じます」と総評しています。

そっかなぁ? フィルムで撮ろうがデジタルで撮ろうが、天体写真は天体写真だと思うが・・・。そりゃ「天体写真ファン」じゃなくて、「フィルムファン」の意見ではないのか?

まぁ実際、カメラ雑誌でも、デジタルの扱いは大変みたい。アサヒカメラなんか、ちょっとデジタルの特集でもやろうもんならえらい数のクレームが来るんだそうです。カメラ映像機器工業会は今年2月、フィルムカメラを出荷統計をやめてしまいました。生産台数が1月に1580台となり、それ以降の月は統計的に意味のある数を満たさなくなったからです。ちなみに同月のデジカメ生産台数は541万台で、昨年同月比27%増でした。フィルムカメラのユーザーは減る一方なのに、デジタルの記事を載せられもしない。出版不況で新しい雑誌を立ち上げることもできない。これはもう、緩慢な死です。ジョージ・ブッシュもびっくりでしょう。

もちろん私は、ネガフィルムによる人物の肌の表現力や、漆黒から黒にかけてのフィルムの階調のすごさを知っていますし、そこにこだわっているプロも知っています。こればっかりはデジタルでは太刀打ちできない領域だと確かに思う。1DsMk3ならこの階調が得られるかな、と期待したけど、2週間ほど使ってみた印象ではまだまだ無理みたい。解像度は充分ですけどね。

でも、いずれにしろ、カメラもフィルムもパソコンもソフトも所詮「ツール」でしょう。「手段」であって、「目的」じゃない。

都会でも星が撮れるってことは、全国どこに住んでいても、夜出かけるのが難しい子どもたちでも、自宅のベランダから、星の写真が撮れるということかもしれません。

技術的にどこまで写せるのか、の追求だけなら、来年の今ごろは昼間に星景写真を撮ってみせます。太陽と月と金星の日周運動とか、おもしろそうだし。

この夏には東京都心にどかんと横たわる天の川を狙うつもりですが、もしそれが成功したら、また賛否両論あるんでしょう。しかし、どんな都会でも星たちは光り輝いていて、それが写真に写るということは存在しているはずなのに、そこに住む1000万人の人たちはそれに気づかずに、もしくは見られずに生活しているんだ、という事実を、少なくとも投げかけられるのではないか、と思ってます。

銀座や渋谷で空を撮ってると、不思議そうに声をかけられます。「何が見えるんですか?」って。「星ですよ。こんな都心でも星は写るんです」って携帯電話に入れてある写真を何枚か見せると、みんなすごくうれしそうな顔をして、「へぇ~っ!そうなんですか」って目を丸くする。

その驚きを与えられるだけで、いいんじゃないかと。少なくとも私には、充分なんですが。

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2008/05/10

2000万画素超の世界へ

5Dを凌駕する画質

5Dを圧倒する信頼性

もう、この機種しか思いつかん

1ds

EOS-1DsMkIII、手に入れました。

ニコンやソニーから2400万画素級の新機種がうわさされ、5D後継機が1600~1800万画素で出てくると予想される昨今ですが、いずれもこいつを超えるとはどうしても思えない。

 

まだ100コマも撮ってませんが、第一印象はとにかく「軽い」です。

MkIIとは雲泥の差。バッテリーがニッケル水素からリチウムイオンになって、持った感じは5D+バッテリーパックよりも軽いと思う。そして、5Dや40Dライクになった操作性。私にとってはとても分かりやすい。

こいつのRAW画像からつくった大量コンポジット星景写真がどんなもんか、今から楽しみです。

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