PIE2009行ってきた (ビクセンAXDとAX103S編)
今回、PIE2009に行った目的の一つは、沼澤茂美さんの講演だった。このバックの画像はアメリカの天文雑誌「SKY&TELESCOPE」が創刊以来初めて表紙、背表紙をぶち抜いて掲載したという百武彗星の画像。たまらない解像感である。
写真展もあって、特に南極での皆既日食の写真がすてきだと思った。空の色合いや、部分日食の太陽の露出、黒い大地にも残る階調など、すべて申し分なし。丁寧な画像処理のたまものである。見習おうっと。
あとは、展示されていた、いにしえの名機をながめつつ、、、
ピラー脚の根元はこうなっているのか!と感心したり、
とはいえ、さすがにこの細い接眼部では、もう厳しいなぁ、と思ったりした。
で、その隣にあるのがビクセンのブース。搭載重量30kgという大型赤道儀ADXが、VMC260をぐりんぐりん振り回している。
来年発売予定とのこと。赤緯体の望遠鏡側を限りなく短くして、モーターなどの重量物をその反対側に集約させる設計には好感が持てる。えぇ、私って基本、GN-170好きですので。側面が両面ともほぼフラットなのも最高。すきなデザインだなぁ。
コントロールケーブルと電源ケーブルの刺さる場所が三脚近くだったらもっとかっこよかったのは間違いないけど、そのためにはロータリー接点が必要になって、どうしてもノイズが乗るので回避したんだそうな。しょうがないね。
すでに発売されている新型10cm鏡筒AX103Sも展示されていた。
レンズ構成は、分離式の3枚玉(レンズ、空気、EDレンズ、空気、レンズ)+フィールドフラットナーの4枚構成。このため、現行のED103Sよりも1kg重い4.6kgになった。
しかし、そのおかげで、名機FL102Sをはるかに超える性能になっている(理論値)。もちろん、分離式の3枚玉+フラットナーは工作精度がモロに効いてくるから、なかなか一筋縄ではいかない部分もあるだろうけど、今のビクセンなら余裕でしょ。
なにより、かっこいいよ~。この金色のラインといい、接眼部への斜めの接続といい、最盛期のペンタックスを彷彿とさせる。
こいつのさわり心地も相当グッド。うちのED103S用に購入決定である。
問題は、実売で29万8000円ちゅう値段だけど・・・決して安くはないわな。
ライバルたるタカハシのTSA-102S(フードの伸縮ができるもの同士で比較するのが筋であろう)が実売26万8000円。AX103Sはフィールドフラットナーとデュアルスピードフォーカサーが標準装備(展示品にはついてたけど、そうなんだよね?)であることを考えれば、TSA-102はそれぞれが3+4万円くらいするので3万円くらい安い価格設定ともいえる。
<2009年5月4日追記/>標準装備じゃないんだそうです。失礼しました。天文ガイドの編集後記の「訂正」で知った。っていうか、あれはビクセンの展示方法が誤解を招くよ。おれも標準装備だと思ったもん。</ここまで>
でも、売れねぇんだろうなぁ。
タカハシとビクセンのほぼ同じスペックの望遠鏡がほぼ同じ値段だと、どうしても高いと思っちゃう消費者心理ってやっぱあるよね。個人的には、AX103SがTSA-102Sより800g軽いだけで魅力的だし、それに、かつてのFL102Sとか、ビクセンの高い望遠鏡って絶対いいに決まってる。
それでも、リセールバリューは低い印象って、やっぱあるよね? で、生産中止になったらプレミアがつく。せつない話ですが。
ま、それを言い始めたら、今どき10cmF8クラスってそもそもどうよ?ってのが正直なところじゃないでしょうか。実際、今どき売れてるのってFS60CBとか、ボーグとかのF4クラスばかりじゃないのかなぁ?
私も、日食を撮るからこのクラスを持ってるだけで、普段はこれで何を撮っていいのかよくわかんない。散光星雲とかを撮るには焦点距離が長いし、暗い。系外星雲を撮るには焦点距離が短い。惑星を撮ったり見たりするには口径が小さすぎる。月か? 月なのか?
でも、だからこそ惹かれるなぁ。このマイナーさに加え、性能相応とはいえバカ高い値段。こういう鏡筒を所有することこそ、真の数寄者といえましょう。生産中止になる前に、ぜひ1本欲しいものである。
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